決算③~固定資産~

では決算の一つ目のヤマ、固定資産です。

固定資産は

会計システムとは別に固定資産管理システムを使います。

この固定資産管理システム、減損した場合など会計と税務の差異に対応できるものにとなると、平気で100万とかします。それだけ大変ということなんです。

安いシステムと気合と工夫で乗り切っていたこともありましたが、全くオススメしません!

でもシステムに頼りっきりはダメですよ。残念ながらたまに間違うことがあるので、こちらで検算してあげましょうね。


①まえがき
②検討事項
③固定資産←イマココ
④消費税等
⑤法人税等
⑥税効果会計
⑦連結決算
⑧キャッシュ・フロー計算書
⑨開示書類
⑩あとがき


まずは月次で試算表と固定資産台帳を当然一致させておくことが重要です。また、固定資産の計上時に計上額、勘定科目、耐用年数のエビデンスを整理しておきましょう。

決算時にはまず、月次の計上がおかしくないか、再度確認します。

「木を見て森を見ず」

になっていないか、という視点ですね。

いつも機械装置を購入する取引先なので、月次で機械装置として計上していた。
でも見直してみると建物附属設備だった。

なんてこともあります。

また、増減理由をしっかりと把握しておきましょう。

分析しようとすると辻褄が合わず、間違いに気づく事があるんです。

のちのち、キャッシュ・フロー計算書や附属明細書の作成に必要になりますから、一石二鳥です。


さらに、第2回の「検討事項」で決算で処理する固定資産のピックアップしていますので、これを反映させていきます。

減損や決算日の固定資産の棚卸しの結果を試算表と固定資産台帳に入力します。

特に減損は申告調整が必要で、税額計算や税効果にも影響があります。

新たに減損したものは

償却超過

以前から減損しているもの、減損した固定資産を除却したものは

認容

の調整をします。

大きな金額が動くので、B/Sの増減だけでなく償却超過額についても分析的な視点からチェックをしましょう。

例えば、

A部門

  • 前期以前に減損済み

B部門

  • 前期以前に減損済み
  • 当期除却

C部門

  • 当期に減損

の場合の償却超過額についてチェックします。

image

システムの償却超過額の計算を分析します。

A部門は前期以前に減損していて、会計上の償却額が税務上の限度額より100少なかったので、その分だけ償却超過額が減ったということです。

B部門は前期以前に減損した固定資産を当期に除却したので、償却超過額もなくなりました。

C部門は当期に減損しているので若干複雑です。

税務上は減損損失も減価償却と考えます。

したがって、700償却したが限度額は100なので、600の償却超過になります。

固定資産台帳の処理は、システムによっては、一品目ずつしかできないものもあります。漏れや間違いが起こりやすいので、しっかり分析してチェックしましょう。


売買処理のリース資産も他の固定資産と同様にシステムで管理します。ですので、注意点も同様です。減損もあります。

加えて、リース債務の管理も必要です。

これは月次の支払時の仕訳でやるべきことですが、

リース料の支払いを元本部分と利息部分に分けて計上します。リース債務も固定資産管理システムで管理したいですね。

余談ですが、マイナス金利政策の影響がリース業界にも大きく影響しているようです。最近はビックリするような契約ばかりでした。詳しくは書けませんが。


【まとめ】

会計システムと固定資産管理システムの突合と増減の分析でしっかり合わせておきましょう。

固定資産は決算では影響が大きく、かつ、多岐にわたります。

税額計算、税効果でも主役級の存在感です。

なかなか初心者には重いですが

知識と根気

さえあれば、特に判断、決断するようなところはないのでがんばりましょう。

次回は消費税等、税務エリアに入ります!

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